思い出のねこさん
数年前、ウチの周辺を縄張りとする「はな」さんというトラねこがいた。
少し離れたところにある、ねこの世話人さん家の子だ。
「飼っている」という感覚ではないらしい。あくまで地域で暮らすねこさんたちのお世話をしているとのこと。
世話人さん曰く、
はなさんは猫仲間たちにどうしても馴染めず、1日の大半を少し離れたこの辺りで過ごしている、という。
朝7時頃 「はな~、はな~」と呼ぶ世話人さんの声が聞こえると、
なばなんはつい、二階の窓から様子を伺ってしまう ( ´・ω・) ソ~
お迎えに来た、 と言うことは 一晩中この辺かどこか外にいた ということだ。
お迎えに来ない、と言うことは 昨晩は世話人さん家で過ごした ということだ。
見つかれば、呼び声は止むはず。
無事に見つかるまで、どうも気になってしかたがない。
あっさり見つかることもあれば、なかなか見つからないこともあるようだ。
はなさんは、ねこなので気まぐれだ。
おそらく一晩中世話人さんを待ち焦がれているのだとは思う。
あるときは、道の真ん中でちょこんと座って待っていることもあり、
またあるときは、待ちきれずに一目散に駆けてくることもある。
世話人さんの呼び声が聞こえても、ふてくされて出てこないこともあるそうだ。
ま、ともかく 無事世話人さんとの再会を果たすと、うれしそうに肩の上に乗って帰って行ったものだ。
ある日、風の噂で はなさんが天に召されたと聞いた。
あの子は他の子とは違った生き方をしたけれど、この辺りの人達に可愛がられて
とても幸せだったと思う…と世話人さんはおっしゃっていたそうだ。